ピアノは打楽器。

セロニアス・モンクの弾くピアノを聴いていると、ピアノって打楽器だな、とほんとに思う。

 

今日、初めてモンクがピアノを弾いてる映像をまじまじと見たのだが、モンクはほとんどの場合、指を曲げないで伸ばしたまま、叩きつけるようにして鍵盤に振り下ろしていた。そして、次の瞬間には指はもうパッと離れている。

 

そのモンクの指のまあ太いこと!

 

それを広げて平たくしてバンッと叩きつける!

 

時折、指を曲げて繊細に弾く場面もあるのだが、それはまれで、それでもやっぱり速いパッセージになると指を伸ばしてぶっきらぼうに子供のように弾いてる。それでああいう聴こえ方になるんだろうな、と初めて納得がいった。

 

モンクには、とても美しい曲もたくさんあるが、しかし、そういう曲を弾くときも彼のタッチは即物的な感じというか、数学的なようにも感じさせる。どこか感情を突き放したようなところがある。

 

それはあのタッチからきているんだな、と今日初めて気づいた。

 

モンクの演奏を聴くと感じるのは打楽器的なニュアンスと同時に彼のユーモアで、賑やかな曲ではたまにどれだけ素っ頓狂なフレーズを、コードを突っ込めるかみたいなことにチャレンジしてるような気がして、聴いていてとても楽しい。

 

聴き手はその酔っぱらったようなユーモアと、彼が指で弾くリズムの強烈さ、ドラムに対して突っ込んでくタイムの鋭さによって、踊らされ、とても自由な気持ちになる。

 

まるで何も制約がないかのように、錯覚でも感じさせてくれるのは優れた音楽の特徴だ。

そして、その打楽器的で即物的なピアノ演奏がまたモンクにしかない美しさ、美学を感じさせて、僕はとても好きだ。

 

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