グッときた1曲 Paul Westerberg "Let the Bad Times Roll"

Paul Westerbergの2002年のアルバム、"Stereo"より1曲。

 


Paul Westerberg - Let The Bad Times Roll - '02 NBC Tonight

 

この"Let the Bad Times Roll"という曲は"Let the Good Times Roll"という、R&Bの有名な曲のタイトル、というか言い回しがあり、それをもじってのタイトルになってる。

 

元になった"Let the Good Times Roll"という曲はややこしいのだが、有名な曲が同名で3曲ほどある。

 

1つはルイ・ジョーダンの曲でこちらはレイ・チャールズなどもカバーしている。

もう1つはシャーリー&リーの曲でこちらは映画の「スタンド・バイ・ミー」でも使われている(確かに自分も聞き覚えがあった。可愛らしい感じの曲)。

もう1つはアール・キングの曲で、こちらはドクター・ジョンがカバーしているバージョンもある(自分はそちらで聞いてた)。

 

で、その"Let the Good Times Roll"という言い回しは直訳すれば、「いいときを転がそう」ってことで、まあ、楽しくやろうとかガンガン行こうぜ、みたいなことだと思うが、それをもじって"Let the Bad Times Roll"といっている。

 

で、"Good"が"Bad"になるとどうなるかというと、つまり、今は悪いときだけど、それが流れてくままにしていた、みたいなニュアンスになっていて、つまり、半ば諦めた、みたいなことになるんだと思う。

曲調と相まって、何ともいえない哀愁があって名曲ですね。

 

Stereo

Stereo

 

 

ところで、途中の"Watch the world roll by from my hole"っていう1節で、ジョン・レノンが"I'm Only Sleeping"で歌ってた"Keeping an eye on the world going by my window"を連想してしまいました。なんとなく離人感を覚える表現で、強いショックを受けたりすると人間こうなる気がします。

 

また"Joey and Dee Dee Home"と間奏中に言ってるのはちょうどラモーンズのJoeyやDee Deeが亡くなったころの収録だったからだと思う。Paul Westerbergが直接ラモーンズと関係があったかは知らないけど、The Replacementsのアルバム"Tim"はTommy Ramoneのプロデュース作だった。

 

しかし、久しぶりに聞いたけど、やっぱり良いな~。