Pulpを聴く夕べ

NPRにPulpが出演したので、見ている。

 

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ちょっと前にサムネ見たときにこれは後で座してちゃんと見なくては!、と思い、この前やっと見た。

 

よかった。

 

最初の曲から''This is Hardcore"である。

何を隠そう、自分が高校生くらいのときに最初に買ったPulpのアルバムが"This is Hardcore"だったので(結構珍しいかも?)、今でも思い入れがある。

 

ちなみにもちろんジャケ買い

 

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(好きな曲なんですが昔のタワレコの試聴機みたいな音質の曲だ!これ。)

 

あの頃はブックオフとかで、名前聞いたことある→ジャケが気になる→安いな!くらいで買ってた気がする。今と違って気軽に曲も聴けなかったし。

 

昼飯ケチッてCD買ってたから、大層痩せていた。

 

けど、色々新しい音楽が発掘できて、楽しかったな。今はいくらでも簡単に聴けるけど、あの時ほど熱心に探すことはない。

 

で、Pulp

 

最初のViolinとViolaを使ったアレンジから素晴らしくて、Jarvisの手の動きもいつも通り面白くてよかった。メガホンみたいに使うパフォーマンスも気が利いてる。

 

Pulpの曲はメロディの良さは勿論のこと、一曲一曲、短編小説のように物語があるところが良い。

 

あの曲はこういう話、この曲はそういう話、それぞれに思い出せるような具体性があるし、そして共感性がある。

 

そういうところが今も残ってる強さだし、根強いファンがいる結果に繋がってるのだろう。何はともあれ、まだまだ現役感あるパフォーマンスでよかった。

ウィスパー・ボイスとドライな音作り

この頃、リバーブの効いたウェットな音作りよりも、リバーブ少なめのドライな音作りに興味があります。

 

そして、そんなドライな音作りとウィスパー的な歌唱の相性がいいな、と思い、そういう音源をついつい聴いてます。

 

ウィスパーならではの息遣いの聞こえるような歌声と、ドライで距離の近い音が相まって、歌い手との心理的な距離すらも近くなるような……親密感の感じられるような音場が作り上げられてるなと感心してます。

 

 (リバーブ感のないドライな歌声で始まり、要所要所で効果的に使われるリバーブやディレイによる声の質感の変化、抑揚が見事です。歌声の消え際の静けさ、キレもポイント!)

 

そのように親密に感じさせる、錯覚させる、っていうのはポップスの常道というか昔からの普遍的な一つのテクニックだと思いますが、それにデジタル録音技術の発展・普及もあって近年、磨きがかかってるように思います。

 

いつ頃からかわかんないけど、気づいたら、ほんとウィスパー的な歌唱法する人ってすごく増えましたよね。世界でも日本でも。

 

所謂ディーバ的な人の顔ぶれの変化を見てもそうかな、と思ってます。

 

ビヨンセ、アデルみたいな朗々と声の大きい歌唱する人から、ラナ・デル・レイとかビリー・アイリッシュ、FKA twigsなどウィスパー・ボイスの人に顔ぶれが徐々に変化してるように思います。

 

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trapのノリ方がやっとわかった話

ヒップホップなどで、ここしばらく、というか、もう10年くらいは流行ってるTrapという音楽のノリ方がつい最近、私にもようやくわかってきたのでその話をしたい。

 

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ずっとロックやポップスばかり聴いてきた自分ですが、いつ頃からかヒップホップなども聴き始めて徐々に好きになっていきました。しかし、どうしてもこのTrapというジャンルにだけは馴染めなかった…。

 

というのも、それまでのヒップホップのサンプリング主体で柔らかいオープンな音質・音楽性に比べて、Trapは打ち込みが多く、シンセ主体で音が硬め、密室的なその音質・音楽がそもそも生理的に苦手だったというのもあります。

 

さらに、自分にとって一番苦手だったのは、Trap特有のスネアの音!

 

あの軽くてピッチの高い、パシュっと気が抜けた感じの音がどうしても好きになれなかったんです(Trapでは2拍4拍にスネアの代わりにクラップが入ってることも多いですが)。

 

どうしてもかっこよく思えないというか。

 

二拍・四拍で鳴るスネアのバックビートがある程度の重さを持って、そこに向かって引っ張られるというか、引力がかかる感じがポップの味噌、というか推進力だと思ってたので、どうしても違和感があった。

 

それがここ最近、色々な動画を見たり、Trapを聴きあさったりしてるうちにノリ方がわかってきて、あのスネアの音色の理由もわかってきた気がします。

 

あの軽さにもたぶん理由があった。

 

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